メガネ
生きれば生きるほど、生きやすくなりたい。
「世界は一本の指に絡められた糸かリボンで、窓辺で夢想している女性がそれで戯れている。」
「メガネ」
メガネが温度差で曇って見えなくなったら拭けばいいなんて
何度も繰り返して
汚れたら洗えばいいなんて
何度も繰り返して
成長すれば度が合わなくなるの
でもいつの間にか変わらないままで
大変困った
困った
いや、
困っている
変化は体の重さ、軽さだけで
そして、
寝る時、メガネを外して
「あんまり見えすぎない方がいいんだって」
とつぶやいた
次の朝、起きると顔がなくなっていた
焦ったけれど、全ての知覚はできるとのことで、
メガネをかける顔がなくなり、
とても喜びました私は
買ったままでいたワンピースを着て
外に出かけました