メガネ

生きれば生きるほど、生きやすくなりたい。

「世界は一本の指に絡められた糸かリボンで、窓辺で夢想している女性がそれで戯れている。」

フェルナンド・ペソア

「メガネ」

メガネが温度差で曇って見えなくなったら拭けばいいなんて

何度も繰り返して

汚れたら洗えばいいなんて

何度も繰り返して

成長すれば度が合わなくなるの

でもいつの間にか変わらないままで

大変困った

困った

いや、

困っている

変化は体の重さ、軽さだけで

そして、

寝る時、メガネを外して

「あんまり見えすぎない方がいいんだって」

とつぶやいた

次の朝、起きると顔がなくなっていた

焦ったけれど、全ての知覚はできるとのことで、

メガネをかける顔がなくなり、

とても喜びました私は

買ったままでいたワンピースを着て

外に出かけました